いちょうブログBLOG

新学期を前にして、お腹の調子はどうですか?

はせがわクリニック院長 長谷川俊之です。
今回は、新学期が始まる今の時期に増えるお腹の不調について少しお話します。
皆様は、過敏性腸症候群という病気を御存じでしょうか?

意外なことかも知れませんが、脳と腸は密接に関係し合っていて
常に脳からも腸へ指令が行くし、腸からも脳へも知覚として連絡が行っています。
この連携が上手く働いているときは、必要な時に腸がしっかり働いて快食快便になります。
ところが、脳にストレスが貯まり不安定な状態になると、
腸の動きも不安定となり、収縮運動が激しくなったり、逆に動きが悪くなったりします。
それと同時に、腸から脳への知覚も必要以上に過敏となり
少しガスが貯まった程度の弱い刺激でも、激しい痛みに感じる様になります。

過敏性腸症候群には下痢型と便秘型、そして便秘と下痢を繰り返す混合型があります。
下痢型は、緊張する様な場面になると急に便が出そうになる方です。
典型例ですと、地下鉄に乗る際に常にトイレの場所が気になって
トイレのことが心配になると余計に緊張して、更に便が出そうになってしまいます。
逆に便秘型は、ストレスを感じると便秘がひどくなり
緊張が強まるとお腹が痛くなり、便もウサギの糞の様になります。
混合型は、数日の便秘の後に、痛みと伴に下痢になり
また便秘になることを繰り返します。

過敏性腸症候群の治療の基本は、ストレスを貯めずに
食事療法(食物繊維を多く、脂分や辛いものは避ける)、適度な運動ですが
すでにクリニックに来られる前に実践されて、それでも困っている方がほとんどです。
そこで内服治療となりますが、特に近年は過敏性腸症候群の治療薬が増えて来て
下痢型には「イリボー」、便秘型には「アミティーザ」や「リンゼス」および「ガスモチン」
混合型には「セレキノン」や「コロネル」なども有効とされています。
また、胆汁酸が影響した下痢には「コレバイン」が効いた報告もあります。

治療において大切なことは、上手くお薬を普段の生活に組み入れて、
痛みや便通異常による生活の質(QOL)の低下を防ぐことだと思います。
当院では、それぞれの患者様の生活に合うお薬を一緒に考えていきたいと思います。

最後に、便秘型の過敏性腸症候群の様な症状で実は大腸癌であった方や
下痢型の過敏性腸症候群と思って実は潰瘍性大腸炎であった方もいます。
一度、大腸カメラでしっかりと診断することもお勧めします。

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